2016年にカジノ法案が成立しました。あれから6年以上の月日が流れましたが、未だにカジノを含む統合レジャー施設の建設は進んでいません。
もちろん、建設地としての候補はいくつか挙がっていますが、世界情勢やその他諸々のシチュエーションで先送りの状況が続いているのが現状です。
さて、カジノ法案は可決しましたが、国内でのカジノの法律的なポジションは一体どうなっているのでしょうか?すでにカジノが合法となっているマカオでさえ「改正カジノ法」が早々に可決し、実施に向けて急ぎ足だと言います。
ここでは日本でのインターネットカジノは法律的にクリアしているのか、日本でカジノが合法になる日は近いのか、カジノ関連の法律に絡めて日本の現状を考察していきます。
そもそもカジノは違法・合法どっち?
カジノが日本で合法になる日は近い?というタイトルでご紹介していますが、そもそも日本でカジノは違法なのか、合法なのかをご説明します。
国内でのギャンブルは例外を除いて違法
基本的に日本国内ではギャンブルや賭博は禁止されています。ここで「競馬やオートレースはOKなの?」と疑問が出てきますよね。競馬やオートレス、競輪、競艇は「公営ギャンブル」に該当するため、違法にはならず合法となります。これらの公営ギャンブルは青少年育成や地域の発展・成長に根ざすことを目的としている限り違法にはなりません。
TOTOやナンバーズ4予想やLOTOなどの宝くじも同様の意図で運営されています。したがって、これらも合法として運用されています。また、TOTOやナンバーズ4予想やLOTOなどの宝くじも同様の意図で運営されています。したがって、これらも合法として運用されています。
インターネットカジノは合法なの?違法なの?
安定したインターネット接続があれば、スマホでプレイできるのがオンラインカジノの魅力ですよね。ここ日本でも人気はうなぎ上りで、利用者は300万人近くに上ると言われています。日本からアクセスできるオンラインカジノは全てが海外を拠点としており、厳格なライセンス機関から規制され、運営をしています。多くの日本人プレイヤーがインターネットカジノでスロットゲームやテーブルゲームを楽しんでいますが、オンラインカジノで遊ぶことが合法か、違法かということを意識せずアクセスしている方もいると思います。
答えから言うと、オンラインカジノは合法でも違法でもなく「グレーゾーン」を彷徨っている状況です。というのも、そもそも日本の法律に、海外のカジノブランドが運営するカジノサイトを日本でプレイすることを明確に「違法」と記載されている箇所がないのです。同じように「合法」だと謡っているところもありません。つまり、現行の法律では裁けないという結論に達するということになります。実際、オンラインカジノプレイヤーが海外のインターネットカジノにアクセスしてプレイしたことで罪に問われたこともありません。
インターネットカジノの法的なポジションについては、白黒がつかない微妙な立ち位置と言えます。こればかりは何とも言えませんが、今後、カジノ法案が具体的に施行され、日本に待望のカジノ場がオープンすれば、状況的にも変わる可能性はあるかもしれません。
考えてみると、日本人が海外に出向いてカジノをすることを「罪」として認識することは少ないですよね。例えば、ラスベガスでカジノを楽しんで帰国した人を、違法行為として罰するといった話も聞いたことはありません。日本の旅行雑誌でも頻繁にカジノ情報を掲載して、ゲームルールや遊び方を積極的に紹介しています。
カジノ法案の内容は?
カジノに関する法律で「カジノ法案」を外して語ることはできないでしょう。まず、カジノ法案がどのようなものなのかをご紹介します。
カジノ法案の正式名は「IR整備法」
メディアでは一般的に「カジノ法案」と呼んでいますが、正式名は「IR推進法」と言います。2016年12月に可決された後、具体的な実施に対する法令「IR整備法」が2018年7月に成立しました。名前だけ聞くと難しいような気がしますが、カジノ法案はカジノを含む統合レジャー施設の建設を推進していくことを目的に成立した法案です。
長年、ギャンブルや賭博は違法だと貫いてきた政府が、なぜカジノを認める姿勢を示したのか?これには以下の2つの理由があります。
- 地域経済の振興と観光に寄与する
- 財政の改善に貢献する
つまり、ブラックジャックやポーカー、ルーレットといったカジノゲームで遊べるカジノ場を含むレジャー施設を建設し、多くの人を集めて地域を活性化させるのが最大の意図です。IR候補地にはお台場、横浜、常滑といった場所が合計7か所リストアップされていますが、日本国内でのカジノ開業は最大3か所と定められているため、候補地では盛んな誘致活動が展開されています。
かつてはカジノと言えば韓国やシンガポール、ラスベガスといった海外のカジノ場まで足を運ばなければなりませんでした。しかし、日本で「カジノ法案」が成立されたことで、ギャンブルへの規制が緩和されたのは事実でしょう。
実際、IR推進法案が国会に提出され、衆議院内閣委員間で審議入りしたのは2014年の6月です。この時、世界に通用する魅力的な観光地を作り上げ、外国人旅行客や国際ビジネス客の取り込みを行うことも法案の内容に含まれていました。日本がビジネスでも観光でも世界から選ばれるディスティネーションになるのが楽しみですね。
カジノ法案はカジノ中心の法律ではない
「カジノ法案」は統合レジャー施設の建設を進めていくことを目的にした法案ですが、カジノを中心にしたものではありません。多くの人がカジノ法案を「カジノ場の単体建設が許可された法案」だと解釈しがちですが、それは100%正しいとは言えません。
IRはそもそも「Integrated Resort」の頭文字をとったもので「特定複合観光施設」を意味します。もちろん、この複合施設にギャンブルであるカジノは含まれますが、あくまでリゾートに付帯するエンターテイメントという位置づけにあることを忘れないようしましょう。日本国内で本格的なカジノを楽しめるようになるのは確かですが、秩序と美徳を失わないようにカジノを楽しんでいくことが大切だということですね。
カジノに重心を置かないようにすることでクリーンな環境を維持すると共に、家族連れで訪れることができるように映画館やショッピングセンターを建設することも計画されています。その他、ジムやプール、公園や会議場と言った施設などを全て一体化させ「複合施設」として運営するのが大前提となります。
シンガポールのサクセスストーリーに続け!
日本のカジノ法案に似たようなプロセスを踏み、大成功を収めた国に「シンガポール」があります。シンガポールは2004年にカジノを合法とする法案が閣議決定されました。アジア圏でも経済と産業の中心であったシンガポールですが、中国経済が世界規模に発展したことやマカオのカジノ産業での大飛躍に危機感を募らせた結果、カジノ合法化に至った経緯があります。
しかし、シンガポールはあくまでギャンブル色に染まらない意向を貫き、慎重な姿勢を維持し続けています。中でも非現実的なデザインとエクスクルーシブな外観を持つマリーナベイサンズは巨大カジノを含み、豪華リゾートホテル/施設として大成功を収めています。実際、2施設の経営で年間営業利益2,000億円をマークしているため、このサクセスストーリーに続け!と日本のIR事業が大きく進むことにも期待が高まります。
日本でのカジノ解禁は近い?
最後に、日本にカジノが誕生する日は近いのか?カジノがIRにおける複合施設の一環であることを念頭において考えてみたいと思います。
カジノ解禁は2026年頃を想定
過去にさかのぼれば「カジノ法案」というアイデアを国会に提出したのが2014年。2年後に「IR推進法」が可決され、そのまた2年後に「IR整備法」が成立しました。統合レジャー施設の建設は、かれこれ8年という時間をかけてじっくりと煮詰めている国家規模の計画でもあります。
中でもカジノ整備法では建設計画のみならず、カジノに参加する人たちの安全や依存症を防ぐ内容も盛り込まれています。これには「カジノ管理委員会」の設立も含まれ、内閣総理大臣から任命を受けた4人の委員が、カジノ事業免許やカジノ関連機器の技術的な審査や監督、カジノ依存症の防止と対策、海外規制当局との連携と国際的な対応を軸に運営を行う予定となっています。
また、カジノを含む複合施設建設地の候補についても、2022年には具体化してくることが予想されています。そのため「いよいよ、日本もカジノ解禁か?」といったムードもちらほら漂ってきています。さらに、誘致で意気込みを強める大阪では、すでに米国、香港、シンガポールからIR事業者としての立候補が挙がっていることを発表しています。大阪府が公表したIR開業の流れを見ても、2025年4月から10月に開催される大阪・関西万博の後に、くっきりと「2026年までにIR開業」という文字が刻まれています。
オンラインカジノが合法になる日も近い?
カジノを含む複合施設IR開業までカウントダウン!といった風潮が高まりつつある中、場所を選ばずサクサクと遊べるオンラインカジノの法的なポジションがやはり気になります。前述で、現段階ではオンラインカジノを法律で裁くのは厳しいということをお話しました。現状のオンラインカジノを見てみると「黙認」といった言葉が最も適切かと考えられます。
優良インターネットカジノでは完全日本語対応のサイトを構築し、日本語のカスタマーサービスもしっかり配置。中には日本人のライブカジノディーラーを採用しているところも登場しています。
インターネットカジノの合法性・違法性が国会で審議され、そして可決されるのはいつなのか?おそらく誰にも予想がつかないでしょう。実際、オンラインカジノは世界の利用者が4,000万人に達するとも言われています。もちろん、国内での利用者が増えている背景には「グレーゾーン」というどっちつかずの立ち位置が、化も不可もなく続いているからかもしれません。
まとめ
「カジノが日本で合法になる日」というよりは、画期的なIR事業によって「カジノが国内で解禁される日」と考える方が賢明でしょう。大阪を筆頭に7つの候補地が名乗りを挙げています。実際に建設が始まり複合施設がオープンした暁には「合法」として胸を張ってカジノゲームを楽しむことができるようになります。もちろん、海外からも観光客やビジネスマンが足を運び、新しい日本の産業として経済発展に貢献してくれることも期待されています。
また、インターネットカジノの法的なポジションについては現在のところ「合法でもなく、違法でもない」というのが答えとなります。今後、IRが着実に進みカジノを自由に楽しめる環境になれば、状況的に変化する可能性はあるかもしれませんね。