Mar 02 (newsonjapan.com) - アメリカでも解禁が広がっているスポーツ賭博ですが、日本でも実はその動きがすでに見られています。
スポーツ産業の発展のために、また財源確保のために日本のスポーツベットは不可欠と考えられているようです。
日本のスポーツベットが検討されている?
「スポーツエコシステム推進協議会」というものが発足されているのをご存知でしょうか。これは2022年1月31日に民間企業30社と元アスリートや有識者により設立されたものです。
「DX時代のスポーツ産業の振興」と「スポーツエコシステムの確立」を目的としたものですが、スポーツ産業化に関する最新の国際動向などを調査し発表するとしています。興味深いのはその中に、「スポーツベッティング」という分野が含まれていることです。
つまり日本のスポーツベットも含めて、スポーツの収入源の多様化に取り組むという姿勢を見せていると考えられます。
スポーツ賭博解禁が進むアメリカ
賭博に関する姿勢は国によってかなり違いがあります。日本はもちろん現状として公営賭博以外は禁止されていますし、日本のスポーツベットといえばサッカーくじの「toto」くらいしかありません。それも還元率が50%ほどと、立ち位置で言えばまさに宝くじです。
対して英国ではスポーツベッティングの歴史が長く、スポーツと賭博は密接な関係にあると言えます。ではアメリカではどうかといえば、日本と同じように賭博に関しては厳しく制限しています。プロスポーツ団体なども八百長につながると、断固反対の立場をとっています。
しかし現実としては海外のブックメーカーなどを通してスポーツベッティングに興じる人は少なくありません。それどころか、下院の報告によると40兆円以上もの金額がスポーツベッティングを通して海外に流出しています。
それならばこのお金はアメリカ国内で徴収し財源とすべきではないか、との考えからスポーツベットを合法化する州が増加し、2022年2月時点で50州のうち33の州で合法化されています。
日本のスポーツベットの現状
日本では現在、IR法によりIR開業にともなう形でカジノが解禁される予定となっています。しかしスポーツベッティングは認められていないため、日本のスポーツベットを解禁するためにはまず法案から作らなければなりません。
そのため財源として必要だとしても、そう簡単には日本のスポーツベットは実現しないという状況にあります。とはいってもスポーツ産業は試合会場への入場制限などにより、経済的損失が大きな問題になっているのも事実。国の収入源としても、もはやスポーツベットの導入は検討せざるを得ない状況にあると考えてよいでしょう。
そして日本でもすでに海外のブックメーカーを利用してのスポーツベットが実質的に行われているという現実があります。推定データによると、年間で1兆5000億円ものスポーツベットマネーが海外に流出しているようです。
もちろん海外のブックメーカーであっても日本で認められているわけではないので、これはグレーゾーンにあると言えます。それでも現実問題としてこれだけのお金が日本から流出しているのです。阻止することができないのであれば、日本のスポーツベットを解禁して日本の財源にしようというのは、自然の流れだと言えるでしょう。
スポーツ賭博の解禁で得られるメリット
日本でスポーツ賭博を解禁すると財源の確保以外にどんなメリットが生まれるのでしょうか。まず考えられるのは、より多くの人がスポーツに興味を持つということです。
スポーツ賭博をするには予想が必要ですし、その予想をするためにはスポーツ選手などについていろいろと調べる必要があります。すると対戦相手との歴史などを知ることになり、そこに展開するドラマなどを知れば、よりスポーツというものに興味を持つことになるでしょう。
そしてもうひとつ、禁止されている賭博行為を無くすことにもつながるのではないでしょうか。著名人がポーカー賭博をして捕まったというニュースがありましたが、実は日常でそういった賭博行為が浸透していると考えられます。たとえば仲間うちでスポーツの試合結果を対象にして、ジュース代を賭けるといったようなことです。
ほんのわずかな金額であってもこれは立派な賭博行為ですし、ついつい行っているうちに依存症になる危険性もあります。
スポーツ賭博というものをしっかりと管理することで、このような日常生活に入り込んだ賭博行為というものを排除することが期待できます。
DXで八百長の防止も可能に?
スポーツ賭博で懸念されるのはギャンブル依存性もありますが、肝心のスポーツにおける八百長行為です。たとえばテニスのようにプレイヤーが1対1で対戦するような場合、選手同士で話を合わせておけば、八百長というものは簡単にできてしまいます。
しかしスポーツ賭博にDXを導入することで、そのような行為もある程度は抑止できると考えられています。オッズの異常な変動があれば検知できますし、不正があればチェックすることは可能になると考えられます。
そして何より、スポーツ賭博による収益がスポーツ業界に還元されれば、選手の年俸を上げることも可能でしょう。自分の成績が収入にダイレクトにつながると実感できれば、リスクを取ってまで八百長をする意味もなくなります。
すぐに実現するのは難しいとしても、日本のスポーツ賭博は遠くない将来に実現する可能性は十分にあると考えられます。