Dec 16 (newsonjapan.com) - 2020年はデジタル通貨の話題が盛りだくさんの年となった。
日銀はデジタル通貨の取り組み方針を公表し、2021年に実証実験の開始することを発表した。民間発行のデジタル通貨については、2022年に実用化される見通しが示された。仮想通貨市場においても、今年はビットコインの飛躍が目立った。
ブロックチェーン技術の可能性
「フィンテック」の中核技術の1つであるブロックチェーンによりデジタル台帳の作成が実現し、分散ネットワーク上で取引データの共有が可能となった。暗号化により、ネットワーク上の各アカウントは、銀行や仲介業者を介さずに、デジタル元帳に安全にアクセスできる。
ブロックチェーン技術には、信頼性や安全性の他、資金移動の透明性と不変性の点で比類のない優位性がある。ブロックチェーン技術は、オンライン決済を伴うどの業界においても、革新的なイノベーションの触媒となる潜在性を秘めている。現在、ブロックチェーン技術を利用した多様なプロジェクトが進んでおり、実証から実用へ向けた取り組みが進む。
ブロックチェーン技術の活用推進
日本国内の仮想通貨取引所の数や取引対象の仮想通貨の種類も増え、仮想通貨はぐっと身近な存在になった。今年の初めに、LINEは独自の仮想通貨LINK（リンク）の日本での取り扱いを開始し、LINEトークンエコノミーの推進に注力している。非金融分野でのブロックチェーン技術の活用や、サービス分野での仮想通貨導入もますます進化している。
ブロックチェーンの実装において、一歩先を行くのはエンタメ業界だ。とりわけ、ネット上でコンテンツやサービスを提供するエンタメ業界は、ブロックチェーン技術の優位性に素早く注目し、採用に積極的だ。例えば、Gaudiyは、ブロックチェーン技術を活用し、エンタメ領域のトークンエコノミー事業を進めている。週刊少年ジャンプ（集英社）や、アニプレックス、大手ゲーム会社、大手スポーツチームなどのエンタメ企業と共同で、ブロックチェーンを活用した知的財産（IP）コンテンツに関わるコミュニティサービス事業を展開している。
オンチェーンの利点
ブロックチェーンは、オンライン決済におけるセキュリティリスクの問題を抹消し、最も安全で迅速な決済方法を顧客に提供することを可能にする。ビットコインカジノは、オンライン決済でのブロックチェーンの利点を生かした典型例である。ビットコインカジノでは、ユーザーはクレジットカード会社や電子決済サービスなどの仲介業者を介さず、ユーザーとカジノ運営企業間の直接取引が可能だ。国際送金にかかる手間とコストを省けるだけでなく、資金移動の匿名性と安全性も保持できる。
人気のオンラインカジノブランドであるカジ旅では、ビットコイン（BTC）、イーサリアム（ETH）、リップル（XRP）、ライトコイン（LTC）を直接入出金に利用できる。オンラインカジノやスポーツべットを楽しむのに、リアルマネー、クレジットカードや銀行口座はもはや必要ない。アフリカやインドで絶大な人気のある22betでは、25種類もの仮想通貨に対応している。スポーツ振興くじを購入するのに仮想通貨は使えないが、ブックメーカーのサッカー賭けでは仮想通貨を利用できる。ブロックチェーンゲームやDeFi等を使い、ビットコイン等の仮想通貨でオンラインカジノゲームが遊べます。
ブロックチェーンとエンタメ業界 − Win Winの関係
ブロックチェーン技術は、仲介者を必要とせず、企業と顧客間の直接取引を可能にし、新しい機会を創出する。言い換えると、ブロックチェーンや仮想通貨は、コンテンツを提供するエンタメ業界において消費者との新しいつながりやアクセスを実現する魅力的なツールとなりつつある。金融分野にとどまらないブロックチェーンの活用は、エンタメ業界において今後も拡大が見込まれる。
